迷い

この21日から約20人の仲間たちとタヒチに行く。タヒチに行くとなると、なんとなく今のカメラSX110では物足りなさを感じる。かといって、この五月はじめたばかりのEOSKissX3を持って行きたいのは山々だが、それでは荷物を一つ増やすことになり、やめたほうが無難だ。八ミリ(ビデオ)は手持ちのUX20(DVD型)で十分だろう。どうしようか?と考えているうちに、キャノンからこの秋、新製品が四機種出るとの情報。うち二つは先日8/27発売したばかりのSX120とSX20。そして十月半ばに出す予定がG11とS90。このうち、「SX20」に注目!

十月予定という「G11」は間に合わないし、かつ性能追求型だ。同じく「S90」も、松下のLX3、リコーのGRⅢのキャノン版だ。一方、SX20は望遠能力20倍、動画能力も先代のSX1、SX10譲りだ。動画と望遠で先代をよく推敲して出したと思われる「SX20」は買い!ではないか?

そのように煮詰まったので、早速ヨドカメ・ネット店で値段を調べ、即買うつもりで近くのY電機に赴くと、値段がヨドカメと全く同じ。なんだか拍子抜けして「即」という気が萎えてしまい、そのまま帰ってきた。

一眼レフの世界

さて、9/01午後のキュリアン抽選会も無事に勝利し、予定の浅草駅から1700の特急スペーシアに乗り込む。夕暮れの中を北関東へ向けて走りながらじっと考えてみると、やはりSX20しかない。X3はかさばって無理、SX110は物足りないとなると、中をとってSX20というのは面白い。数年前これの先代に当たるS2、S3をご機嫌で使っていたが、その後G7→G9→G10とハイコンパクト路線を走ってきた。ところが、昨年のガバサク先生の本に一撃されて、考え方がガラリと変わり、画素の大きさによるダイナミックレンジ(色の自然さ、豊潤さ)に憧れるようになった。そこで松下のLX3やGH1を買ってはみたが、色の好みが合わず、キャノンのX3に買い換えて今に至る。

初めて一眼レフを買って視野が広がった。買う雑誌も変わった。だから本当ならX3を持ってタヒチに行きたいところだが、そのかさばり方ではやはり無理。かつ、タヒチとなるとビデオまたは動画は必須。となるとやはりここは「SX20」にして、これまで無視してきた八ミリ(動画)もカメラで撮る路線に乗ってみてはどうか?

それにしても、同じ買うのなら一日でも早く買わないと、なにしろカメラをこなれた状態にまで持っていくのに、まず20日はかかるだろう。

車内から発注

外はとっぷりとくれ、列車は新鹿沼に差し掛かっていた。目的地が近い。昔のPHS時代は、列車が止まってないとパソ通は出来なかったが、昨年からFOMAにしたので、普通のケータイと同じく、車内でも外とインターネットができる。早速ヨドカメを呼び出し、「SX20」をポチッとする。「受け付けました」とお礼の画面が出る。よし、これで明日にも配達される!電車はまもなく目的地の下今市に滑り込み、上沢ご夫妻のお出迎えを受けた。新しい製品を買うというのは、心ときめくものだ。

福井にて

日光MGが終わると一日おいてすぐ福井MG。勿論このマシンを持って行って、いろいろと勉強をする。二日目の朝早起きして、近くの民家園まで朝の散歩。森の中の道なので、いろいろと道端の木の葉や民家の屋根などを撮って研究する。一方、MG会場で、皆さんのMG風景を初めて「動画」で撮ってみる。うまく行かない。一時(故障かな?)とドキッとしたが、よく考えてみると、今日は動画用の高性能SDカードを入れていないのだった。それが原因かと、2ギガのSDをあらためて物理フォーマット(NEWドン)してみると、まぁ何とか写せるようになった。

ただ、SX20には外部マイクが使えないので、やむを得ず内蔵のステレオマイクになるが、果たしてこれでタヒチが撮れるか? やはりティアックの録音機をあわせ持って行くべきではないか? 悩みは続く。

性能追求型と機能追求型

 G11、S90などは性能追求型(望遠そこそこ、画質追求)。一方SX20は機能追求型(超望遠と動画可能)。性能追求はとりあえずX3で、しかし今回のタヒチは小さく、かつ高機能の「機能追求型」で行かねば。朝の散歩道を帰りながら、ふと「軽一眼」というキーワードがひらめいた。画質ではX3その他の一眼レフに敵わないものの、20倍望遠だからレンズ交換はいらないし、ライブビューは使いやすいし、ファインダーもバッチリ。グリッドも問題なし。いくつかの点では一眼レフを超えている。

重厚な一眼レフと、軽快なコンパクト。その中間に位置する、コンパクトに近いのに一眼レフ的機能も一部持ったこの「SX20」はまさに”軽一眼”と呼ぶにふさわしい。(そういえば、冨士フィルムでも昔同類項を「ネオ一眼」と言っていたなぁ。)

最後にSX20に望むこと3点。
①外部マイクを付けて欲しい。(GH1のように)
②MCフィルター(保護)が付くように。
③テレビにつないでも画像が消えないように。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)