お散歩カメラがない!

6/03発売のソニーのミラーレス機(反射ミラーのない一眼レフ)NEX-5を買うにあたり、所有機種を整理しておきたいと思って、キャノンのSX110ISを友人に、もう一つのパワーショットS90を秋葉原のカメラ屋に売りに行った。その結果、手持ちは、X4SX20IS、ソニーのNEX-5になったのだが、ところが困ったことがおこった。持っているものが皆大きいのである。X4は一眼レフだから「作品用」にしか使えない。SX20は、一眼レフでは大きすぎるというので、タヒチ旅行用に買った20倍望遠の中型(647g)。

そして今回のソニーのNEX-5は、実際に使ってみると、毎日リュックの中に入れてはいるものの、とっさのときに使うには、これでも大きすぎる。気が重い。なんとも、さっと撮れない「設定の面倒さ」が欠点である。

過去の経験では、逆にどんなときにも、さっと使えたのがSX110。10倍ズームだし、単三電池二本だし、各種の設定変更も楽だった。

次のS90。これは、今はやりのリコーのGRデジタルⅢなどのカテゴリーに入る凝り性型のキャノン版で、コンデジながら「F2」という明るいレンズと「画質」優先型であり、いわゆる鐸木氏推薦の優良タイプである。

本体198gは、110の291gに比べ小さすぎるくらいで、使いやすさから言うと、もう一回り大きくても、と思ったくらいだ。

S90がどんなに良いカメラかというのは、さる一月に日光MGに行くとき、電車の中から夕焼けの浅間山を狙って、それなりに夕焼けが的確かつ簡単に撮れたことで分かっている。

S90を二度買い

結論は、手元にいつもパッと使える小型メモカメラ=お散歩カメラがなくなったということだ。ソニーのNEX-5は本体は約290gとコンデジ並みだが、レンズが大きい分けっこうかさばる。とてもお気軽カメラとは言えない。画質はAPS-Cといって、一般の一眼レフと同型素子を使っているから、ボケもちゃんと撮れる。色も良い方。だから、タヒチのように、従来の一眼レフではどうもね~と言うときに、NEXなら持っていけそうだ。毎朝、七時前後に20分ぐらい、近所を足慣らし散歩をする。その道筋に、けっこう撮ってみたい花など被写体もある。ところが、ソニーのNEXは、散歩には重過ぎる。200g前後が良い。

あの時売らなきゃよかった! と悔やんだが、もう遅い。もう一遍買い戻すか?と、いろいろ調べに調べる。

釣り落とした魚は大きいというが、いまさらのようにS90を調べてみると、キャノンのパワーショットシリーズの中で、撮像素子が1/1.7と普通の1/2.3~1/2.5より一回り大きいのは、この機種と、あの高級機G11のみ。いかにキャノンが、明るさ、画質、ダイナミックレンジにこだわったカメラかということが分かる。

単なる写ればいい実用機としてなら、どんなコンデジでもけっこうなのだが、現在「フォト初心写」という写真クラブに入っている関係上、画質や色にはどうしてもこだわらねばならない。

G11はもちろん優秀な機械だが、サイズが400gあって、お散歩カメラ、メモカメラとしては大きすぎる。

となると、画質・軽さ・明るさでS90が最適だ。ところが、買おうと思って調べていくと、なぜかヨドカメには在庫無し。

もし次の新機種(S91?)が出るまで待つとなると、秋口九月か十月ということになろう。その間に、夏の九州帰省旅行があったりする。

写真クラブには、ときおり<作品>を出さなければならないので、日ごろからネタを用意しておく必要がある。ということで、昨夜ついに、S90を二度買いすることに決心した。

S90は、キャノンとしては続けるかどうか分からないといううわさもある(価格コム)。そのせいか一時2.6万にまで下がった値段が、揺り戻して2.9万にまで高くなっている。しかしこの際、値段にとらわれていては、作品作りのチャンスを逸してしまう。

鳩ノ巣にはX4で

 さて今日7/21は、梅雨明けで久しぶりの奥多摩行き。こんなときは、X4に135ミリズームと60ミリマクロの二本建てで、いままで数回撮ったことのある白丸湖周辺を狙ってみるつもりだ。いつもは、まず終点の奥多摩駅に降りて、そこから鳩の巣まで沢沿いに二駅分下ってくるのだが、今回はふと思いついて、一つ手前の「白丸」駅で降り、白丸湖撮影に集中してみる気になった。駅から湖まで200~300mほどの近さ。おかげでいつもよりゆったりと湖面の撮影ができた。約100枚ほど撮ったつもりだが、良いのがあるかどうかは、焼いてみるまでは分からない。

ショックだったのは、撮りながらずっと楽しみにしていた鳩ノ巣・一心亭での昼食が、いざ1300ごろ店に到着してみると、なんと「店」がない!

玄関に小さな貼り紙があり、四月に近くのどこかに引っ越したと書いてある。
高校三年のときから50年間、半世紀も通った店が、何の断りもなく、突然どこかへ消えてしまった。生者必滅、形あるものは必ず壊れる。

仕方なく昼食抜きで、直近の1318上り電車に飛び乗り、一路東京へ。我が家には1530ごろ着いた。配達されているはずのS90がまだ届いてない。

ようやく1630ごろ配達されてきた。いそいそとアマゾンの箱を破り、マシンを出して、日時をインプット。SDカードは、前のがそのまま残してある。電池を充電し、液晶保護フィルムを近くのヤマダ電機に買いに行く。ぎりぎりで、明日からの北海道MG旅行に間に合わせることができた。
(KK西研究所・所長 西 順一郎)