チラシの裏紙から

あれは4/28の夜だったか、毎晩のように遊びに来る孫のかな(二歳半)の 顔を見ながら、かたわらのソファで、かなの落書き用の新聞のちらしの裏に、戦 略マン・ボールペンで[CF-STRAC]の基本公式を書き始めた。

というのは、3/15に、マイツール版の小川CF-STRAC表が一応完成 し、余力で今度は、十年前のポケコン版CF-STRACプログラムも入力した。

このポケコン用プログラムは、当時大至急駆け足で作ったものだけに、前半部 だけしか出来ていなかった。つまり後半の[利益感度]に当たる[資金感度]の 部分までは手が回っていなかったのである。

今回はそこまで完成させよう、させないと、CF-STRACの講義といって も、もっとも肝心なハウツー、WHAT-TOのところが脱落してしまう、、、。

金子さんにお願いしていたら、4/15に[一応完成]のファックスが送られ てきた。折しも、新潟のnobさんからも、同日二時間半のずれで、同様なプロ グラムがファックスされてきた。この偶然、この煮詰まり方、盛り上がり方!!

このお二人の努力で、横田式資金感度分析のプログラムは一応完成を見たので あるが、私としては、やるからには、より体系的なものを追究したい。
そのためには、基本公式とその展開体系が必要だ。  それが、冒頭の、孫の顔を見ながらのチラシ裏への落書きとなったわけだ。

やっぱりマイツール

さて、書き始めてみると、とても紙一枚には収まらない。二枚になり、三枚に もなった。
こうなると、手書きでは駄目だ。CF-STRACの公式は、STRACの企 業方程式「PQ=VQ+F+G」と違って、かなり長くやや複雑であるので、手 で、同じようなものを沢山書いて行くことは、間違うオソレが多分にある。
とくに、符号のプラスマイナスが間違いやすい。中には、そっくりさんの公式が 沢山ある。こういうものは[マイツール]に限る。

小川シミュレーションのときも、マイツールでやれば簡単だ、というのでお世 話になったが、今回のポケコン用CF-STRACシミュレーション・プログラ ムについても、沢山あると同時に、またよく似ているということで、マイツール の使用となった。
マイツールならば、[上に同じ]¥ドンも簡単だし、公式がいくら増えても、 これまた簡単、かつML、ILがあるので、思うままに整理出来る。ということ で、4/28は夜遅くまで、マイツールに向かっていた。

オークビレッジMGの初日

五月一日。いよいよ問題の岐阜高山西郊にあるオークビレッジMGの当日であ る。
今回は、四月初めに小川先生のチェックを受けて、初めて印刷した[第六表、 CF-STRAC表]の初使用MGである。参加者の中には、マイタイさん、奥 飛騨さんといううるさ方が控えていて、やりがいがある。

午前十時。MGが始まった。(NSルールという出来たてのシンプルMGをテ ストしてもらった。) 三卓16人がMGをやっている間、私は、数日前からの問題を引っ張り出して、[CF-STRAC表]の講義の準備をする。

問題は、マイツールで作った[公式体系]だ。これがすべての基本だ。これさ えしっかり出来あがれば、それをポケコンに組むのは造作もないし、出来たもの が非常にすっきりしたきれいなプログラムになる。

第三期に入った。マイタイ氏の第二期のマトリックスデータをちょいと借りて、 ほやほやの点塾第六表に記入テストをしてみる。
やってみると、いかにもβ版らしく、要改善点が至るところに、無数に出てく る。数字を記入した第六表と、ポケコンのアウトプットを見比べてみると、両方 の欠点がよく分かる。

まず、マイタイさんの第二期に研究開発の次繰りが一枚発生している。これは 小川先生の事例をシステム化する時点では、発生していなかった。次繰りが一枚 20円増大した分だけ、Cash Gが20円減っている。

もう一つ、マイタイさんは第二期に膨大な利益を出した。そのため、CF-S TRACシミュレーションのB/S上に、初めて「納税」が54円発生した。こ れも小川基本開発の時には現れていなかったことだ。しかし、こっちの方はあら かじめ予測していたので、それ用の行が作ってあり、慌てることはなかった。
問題は、次繰りが20円発生した分が、ポケコンプログラムから落ちている点 だ。

ここで基本に戻ると、
企業方程式は[PQ=VQ+F+G]、
資金方程式は [PQ=VQ+(F-R)+WW+CG]
だ。
(ここで、WWはつなぎ資金の増 大分、CG=キャッシュG、Rは減価償却。)

しかし、この方程式には,UZK(売掛、在庫、買掛)の変化に基づくWW (つなぎ資金の増大分)は見事にキャッチされているが、一方、赤青黄等「戦略 チップ」の先行投資は反映されていない。
ということは、
PQ=VQ+(F-R)+WW+SS+CG
と長くすればよいのだ。(SS=S2-S1、戦略投資の増大分)
そこで急拠,S2,S1,SSを加え、プログラムを直すことにより、再び小 川マイツール・シミュレーションシステムにピッタリ合致するようになった。

Cash Fの発見

それにしても、この公式はいかにも長ったらしい。すでにご存じの通り、f/ m比率と損益分岐数量Q0は簡単に求められる。同じことがキャッシュベースで も簡単にできなければMGではない。

キャッシュベースのf/m比率のことを「経常収支分岐点比率」というのだが、 これでは、長くて覚えてもらえないから、「収支分岐点比率」と短くしてしまお う。
それだけでは駄目で、収支分岐点Q0(すなわちCQ0)が求められなければ、 MG上では面白くない。
いったいいくら売らねばならないか?―それが正確に、理論的に、簡単に 出なければならない。(CQ0をSTRACのQに入れたとき、キャッシュG= 0にならなくてはならない。)

普通の企業方程式でも、
f/m比率=F/MQ*1OO  損益分岐Q0=F/M
で出せるんだから、一方の資金方程式でも、収支ナントカが簡単に出ないものか?
四月頃からうすうす感づいていたことだが、[CF=(F-R)+WW]ではな かろうか?
これに、今回のマイタイ氏の研究開発一枚次くりを反映させて、
CF=(F-R)+WW+SS
ではないか?

早速ポケコンに上の式を組み込んで、割り算をしてみると、完璧にうまく行く。
すなわち、
CFM=CF/MQ*100  (収支分岐点比率)
CQ0=CF/M      (収支分岐点数量)
なのだ。

このへんは、四月初旬の第六表づくりのころにはまだ分かっていなかったから、 複雑な算式が書いてあったが、これで一挙に簡単になるぞ。

企業方程式「PQ=VQ+F+G」は誰でも知っていて、企業経営に生かされ ている。ポケコンがあれば、「利益感度分析」も簡単だ。
ということは、 資金方程式
PQ=VQ+(F-R)+WW+SS+CG

が出来たと言うことは、これによる「資金感度分析」をポケコン/マイツール/ エクセルのいずれかで、誰もが利用可能になるわけだ。

このキャッシュフロー経営の時代、資金的にキビシイ時代、自力経営が求めら れる時代に、科学的な資金感度分析のデータが誰にも簡単に入手出来ると言うこ とは、早く言うと、「キャッシュフロー経営の開放」である。皆で喜び合うこと が出来る。(^_^)

(KK西研究所・所長 西 順一郎)