五月シニア

  五月末に三浦シニアがあって、かなり個性的な九人が集まった。この人たちにどうしたらMGの神髄、奥深さ、MG圏・西圏宇宙の広さ、つまり発展性について知ってもらえるかと思いつめていたら、フト相撲の星取表を思い出して、「西研式星取表」というものを作ってみた。15項目あり「あなたは何勝何敗ですか?」というものだ。

さらに、すぐ続いて関西の某社で40人の大MGがあったので、ここでもぜひこれを使おうと思って、さらにブラッシュアップして、二日目にようやく手書きメモをマイツール化できた。それが上の表である。

ただ15項目だけをズラズラと並べても、頭に入らないだろう。
MGは「成績<期数<交流<向上」なのだから、これを利用して、
序盤=期数関係  中盤=交流関係  終盤=向上関係
に三分してみた。

A社では、私の年二回のMGがもう数年も続き、100期を超す社員もかなり出てきている。しかし、夏冬二回それも同一社員を相手にジュニアをこなすだけでは、どうしてもマンネリ化し、ゲーム化してしまう。「いつも勝つのはあの人」というふうになるし、その人も「今度も勝つぞ」と勝負が中心に来てしまう。

MGはそういうものではない。MGはそもそも「会社を強くする、個人を強くする」はずのものだ。つまりMGをやるのは、会社が業績を上げるためのものでなければならないし、個人的にはまた質の向上、実力の伸長がなければならない。

まずMGは30期

  もっと一般的に言うと、MGをやりに毎月何十人もの方が、東京会場その他に現れる。中でも、これは会計事務所の先生方に多いのだが、一度ないし二度はおいでになるのだが、すぐ来なくなる。会計事務所の先生方は「税理士・公認会計士」という肩書きを持つと、もはや功なり名遂げた存在で、またゼロから必死になって、企業の原理や経営者の心理、経営戦略など、基礎的なことを勉強する気にはならないのだろうか? 中には溝の口の某先生のように、20年たってもMGから離れない先生もおられるのだが、、。会計事務所の先生ばかりでなく、一般のビジネスマン・サラリーマンの中にも、インターネットで応募してこられる個人や企業は次々とあるのだが、続ける人が少ない。そこで私は「まず30期、毎月やって半年やって欲しい」と思っている。半年コースだ。一年コースもあるだろう。

経理の勉強でも、経営でも、一年二年三年と勉強するものだ。それに比べると、MGのように、毎月2日だけ、それも6回12日だけというのは決して長いとは思えない。

6回続ければ、3回目ごろから会場の皆とも仲良くなり、顔なじみになり、笑顔の交流があり、情報の交換がある。計算も徐々に速くなり、ゲームもだんだんと上卓に上がってきて、MGの勉強がMGだけではなく、コンピューターの勉強であり、会計の勉強であり、マイツールの勉強であり、ニフタームのそれであることが分かれば、あなたはだんだん一人前のMGマンに近づいている。

しかし、そんなものは序の口だ。序二段、三段目、幕下、十両、前頭、三役、横綱と先は長い。

高得点の人

今MG界に、女性ではももさん、男性ではYOさん、そして千葉さんのような綺羅星さんがいるが、ももさん、千葉さんが400期、YOさんが150期ぐらいで、いずれもこの「星取表」では高得点をとる人たちである。トンボ繊維のvanちゃんなども、西式を忠実に実行して、会社を見事に立て直した人だ。YOさんは、数千人の大会社の中の一社員に過ぎないから、環境は厳しい。理解してくれる人はまずいない。その中で、表計算の中からマイツールに開眼し、効果をあげている。大会社の中で、いったい何人が表計算地獄から抜け出して、マイツール界に飛び出した人がいるだろう?(MG界には少なくないが、、)

思想と読書

 そして最後に「思想」だ。特にMGのインストラクターをする人は思想が大事だと私は思う。だから、西研のMGインストコースは「シニアコース」という名前で、MGのインストの仕方を教えるのみのコースではない。MGのインストの技量は、まずインストラクターが確固たる思想を持つことが先で、思想が確立すれば、おのずと技量などは付いてくると考えている。例のバイオリンの鈴木鎮一先生が「より高き指導者」と言っておられる。この「より高き」の意味は、決して演奏が上手なだけを言うのでなく、「人格高潔な」「思想高邁な」そして「技量卓抜な」人格者をいうのだと私は思う。

かくいう私自身はとても駄目だが、私の師事する井深さん、本田さん、鈴木先生、小林茂さんらは、皆、とても立派な人たち、さわやかに吹きすぎていった方々だった。私もそう行ければとは思うのだが、少しもそうはならない。恥ずかしいきわみである。思想は読書から得られる。「読書30冊」と書いてみたゆえんである。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)