CFが満杯に

最初、P-2000のことを知ったのは、伊達淳一著『はじめてのデジタル一眼レフ』(岩波アクティブ新書2004.12月刊)を読んだときだった。

いや、別段今はやりの「デジイチ」を私もついに買おうと思ったわけではない。
私は「コンパクト・デジカメ」のファンであり、コンピューターなら1.2キロ、カメラは250グラム以下でないといけないと思っている。昔から、重さ500グラム~一キロの一眼レフは買ったことがない。(八ミリは別)

その後、上さんの師匠の文月涼氏が『ASAHIパソコン』2004.1201号に、珍しくカメラ以外の周辺機器として、このP-2000のことを、例によって入念に各社製品との比較の上で、根掘り葉掘り書かれた。

そして三番目に、上記二つを追いかけるように『デジタルCAPA』までが最近号(2005.01月号)で本機を取り上げたのである。

パソコンに入れたくない

もともと、機械好きで機械音痴の私である。コンパクト・デジカメもキャノンのパワーショットS30からS60にバージョンアップして現状満足状態なのだが、なにぶん中のフィルムに当たるCF(コンパクトフラッシュ)が、64・64・128・64MBと四つあって、それらに「A、B、C、Y」などと名前をつけて管理している。

ところが、一番好きな128の「C君」も正月を前に、ほぼ満杯に近づいており、はやく「Y子」あたりを空にしないと、北海道年末スキー用のフイルムがない、ということになる。

じゃ、買えばいいじゃないかというのは素人で、かつてのフィルムと違って一個5~6000円はするし、これ以上増やすと、だぶついて却って管理しにくくなる。

じゃ、パソコンに移せば? と言われる向きは多いと思われるが、なぜか私は、パソコンで画像を管理したり、印刷したりというのが嫌なのだ。

で、従来はCD-Rに移してきた。ところが、どうもこのCD-Rから拾ってくるというのが気に食わない。パソコンが介在するからだ。しかも、これまで数枚CD-Rに焼いて、最近の一枚をどこかに紛失中なのだ。

プリンター問題

写真用のPDプリンターについても、このコラムに散々書いてきた。現在は900PDで(PDというのは、PRINTダイレクト、正確にはPHOTOダイレクトといって、パソコンなしで写真を印刷出来るプリンター、昔のプリントン)思い切りホームDPEを楽しんでいるが、なにしろPCを使わないという私の主義から、このプリンターを使うにも、CF媒体そのものの中に写真を残したままの方が簡単で扱いやすい。

特に、写真を焼くと言っても、直近のものを焼くことが普通で、一つ前とかずっと前のものを焼くことはまずない。ということで、撮ったCFはしばらくはそのまま画像を中に駐在させておく。

メカ音痴であるから、このCFの一つから画像をCD-Rにシフトするにも、そばにKさんがいる日でないと、うまく行かない。現に最近の一枚は、移したつもりが、後で再生しようとしたら、満足に移されていなかった。後処理がうまく行ってなかったらしい。

そこでP-2000

文月氏あたりは、膨大に高画素の写真を撮る上に、かつ「パソコンまで撮影旅行に持っていくのが大変で」と書いておられるが、私の場合は、PC云々でなく、ただ単にCFを空にしたい、ニュードンしたい。そのために、データをとりあえず、手軽に他へシフトしたい。そうすれば、思う存分CFを初期化できるということで、このP-2000のような、優れたメモリー録画機(正式には、ストレージ・ビューワーという)がほしいだけだ。

年末も押し迫り、こちらもお尻に火がついたころ、近くのLAOXに行って、「P-2000が欲しい」と言ったところ、調べてくれて、「今は在庫が少なくて、入手は一月中旬になるだろう」との話。ともかく発注する。

そうしたら、どうしたことか、年末ぎりぎりの29日に電話があって、今日入ったという。

とりもとりあえず走って行って、早速開梱、CFを突っ込んでみたら、僕のようなメカ音痴でも即入る。とりあえず、手持ちの画像は全部シフトして、ようやく一番古いCFを初期化する。

こうして、私の画像シフト問題は、金6万円なりで、見事に解決、一件落着となった。

それにしても、、、

それにしても、このP-2000という機械は、中身はただのHDDだから、本来なら昔私がいたソニーあたりがいち早く手がけるべきお手軽アイテムだと思う。

PDプリンター「プリントン」もエプソンが早かったが、このP-1000や2000もエプソンというのは、他のソニーやキャノンは何をしてるのだろうか。あの辛口の文月さんが推すだけあって、素人にも扱いやすい、大変よくできた機械だ。

それにしても、私の機械が製造番号4953番。若い。まだまだ世の中のデジカメ人口は、こういった便利グッズについては、うといと思われる。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)