最初は三渓園のハズだったが

 昨日の春の嵐が過ぎ、2/15は一転して風もない早春の好日--。こういう日は、得意の高尾山にも行けない。雨の後は道が滑るからである。

こういう日は山より海というわけで、普通なら荒崎海岸も良いのだが、なにしろ二三日あとに三浦マホロバなので、それも駄目。となると、後は横浜の三渓園しかない。

幸か不幸か三渓園には、すぐ付近の「デニーズ」に借りがある。前回、一年ほど前、すぐ近くの某有名ファミレスに入ったのだが、出てきたビフテキが、あの下田のビフテキとそっくり同じもので、「エッ?」と思って店名を見たら、例の某レストランだったのである。

しかも、そこを出て、500mも行くと、すぐ左手に大好きなデニーズがあって、(何たること!)と悔しがったのがそのまま宿題になっていた。それを今日こそは取り返そうと、久しぶりの三渓園となった。

まずはインターネット

行く前に、せっかく行っても休園だと困るので、事前に得意のインターネットで三渓園を探すが、なかなか出てこない。よくよく調べてみたら、「三蹊園」ではなく「三渓園」なのであった。

ついでに、これも宿題の、JR山手駅から歩いて、山越えで三渓園まで行くルートの開発。三年ほど前はそのルートの所在が分からず、強引に南へ山越えして根岸の近辺に出、そこから東へ延々と歩いて、ようやく三渓園に着いた。

今度は違う。今やインターネットは得意中の得意。かつ、グーグルにはマップもあれば、アースもある。ともかく、マップで付近の地図を三枚ほど印刷して、11時前に出発。

さて、山手駅には降りたものの、地図のとおりに行こうとすると、狙った道がない。よくよく調べると、地図の駅舎の長さが短かすぎる。本当はもっと長く、駅改札口の30mほど南に、その曲がった道(ふぞく坂)はあるのだった。

以後は迷うことなく国大付属小を左手に、緑ヶ丘高をくるりと巻いて、お目当ての和田山公園(別名、本牧山頂公園)にたどり着く。

和田山公園

すっきりした、明るい、とてもよくできた公園だ。この公園の設計者は、きっと名のある、優れた人物に違いない。身体障害者用の道が、普通の道をS字状に右左しながら登っていくところが面白い。

見晴らし山に登ると、はるかに富士が見えた。とりあえず数枚撮影したが、なにしろ遠く霞んでいるので、写真になるかどうか? 犬を連れた女性が多い。先に来ていたおばさんが「朝ならもっとよく見えますよ」と言ってくれる。朝早くはどうもね~。

しばらく行くと、遠方になにやら赤い花が咲いた木が一本だけ見える。近づいてみると、なんと桜だ。しかし、この色の濃さは、ただの桜ではない。これがたしかヒカン桜というのではないか。

ここでも二三枚撮影して、公園中央へ。時計を見ると13時。そろそろ山を降りて、デニーズに行ってもいいころだ。地図によると、すぐ目の下に本牧神社があるので、一応寄っていくことにする。

ここで降り道を間違え、東側、本牧小のほうへ大回り。ともかく神社で拍手を打ってから、道路公園を歩いて、程なくデニーズへ。この本牧神社の来歴を読んで初めて、なるほどこの本牧の一角は、戦後米軍の住宅地に接収されていたのだと分かった。佐世保で言うと「名切」だ。

ようやくデニーズ

デニーズに入ると、四人の女性群の隣の席に案内された。これじゃうるさいかなと一瞬心配したが、それは杞憂だった。まったく気にならない。

数日前、渋谷の公文式本部に行くチャンスがあって、孫が別室で試験を受けている間、私は父兄待合室で待機していたのだが、すぐ近くの老婦人が1時間近くしゃべるわしゃべるわ、ひっきりなし。そのボソボソ声が気になって気になって、ついに私は我慢できず席を立って、数mはなれた廊下で立ったまま本を読んでいた。

その時の苦い経験に比べると、今日の四人組は、すぐ隣の席なのに、まったく気にならないのはなぜだろう?

1時間ほどして、食事にも満足し、加藤勝康先生の『Q&A管理会計入門』(同文館)を1~2問解いたところでデニーズを後にした。

今日の和田山はとても感じの良い公園だったので、帰路も再び同経路をとって、山手駅まで戻った。

次回は、今回省略した公園の東半分にも行ってみるつもりだ。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)