なんと、東山魁夷美術館ですよ!

明日から四日間関西でMGの連荘という前日、四国・坂出にきて、瀬戸大橋たもとの瀬戸大橋記念公園の一角にある県立「東山魁夷せとうち美術館」に案内された。すぐ近くに「沙弥島」という可愛い海水浴場がある。魁夷美術館といえば、長野・善光寺右手の美術館がイチオシだと思う。しかし、ここ香川県の美術館でも、ちょうどテーマを決めて展示の最中で、今回は「北欧・自然と人々を訪ねて」と「森の旋律」の2テーマであった。

魁夷は、アメリカ東海岸の画家ワイエスと並んで、私の大好きな画家の一人である。画集も二三持っているが、今回は勿論よく知っている有名な作品もたくさんある中、はじめて見る二枚の画に衝撃を受けた。

一枚は、近景の暗い木々の間から、遠方の山が空色一色に見えているというシンプルな構図である。なんとこれは、私が高尾山に行くたびに、いつも写真に撮っているお気に入りの画材で、まったく同じ画角を大魁夷が画にしていたとは、凄くびっくりすると同時に、なんとも嬉しくなった。

このテーマは、何か不思議に、何回撮っても飽きない。暗い木々の合間に見える遠くの山の薄い空色がなんともいえない。自分と遠方の山の間の空気の質量感がとても良い。毎回高尾山に行くたびに、同じような場所で、同じような画を撮っている。

この五月、初めて一眼レフを買ったので、また同じ画材を撮りに行きたいが、こうも梅雨が続くのでは、いっこうに実現できそうもない。

湖面に輝く空が・・・

もう一枚、どきっとしたのがあった。それは、山の湖に映る木々の影を描いたもので、水面の線を上方三分の一に取り、水面の木々を克明に描いて、かつ右下の一部に明るい空が映っている。この画角は、かつて奥多摩の白丸ダム近辺で撮った写真にそっくり。当時まだ存命中だったマンションの前管理人・柴さんから、「この空の光がポイントですよ」とほめられたことを覚えている。

以上二枚の画については、残念ながら題名も何も記録してこなかった。いずれ調べてみるつもりだ。

ム、キンピラ山?

さて、7/19三連休の日曜日は、天気はくもりだったが、これまで長い間山にも撮影にも行けず、欲求不満に陥っていたので、この日は取るもとりあえずカメラをリュックに、いそいそと高尾山へ向かった。三連休だから案の定、相当な人出である。道々楽しみにしていた山菜弁当は「とっくに品切れです」の一言。まいいかと諦めて1145から登り始める。途中金比羅山展望台への分岐点で、十人ぐらいの高校生仲間が休憩中。中の一人が、
「ねえねえ、”右はキンピラ山”と書いてあるよ」
「コンピラ山」
「あ、すみませ~ん」
キンピラではまるで牛蒡ではないか。

でその金比羅山への坂を登りながら、いつもの撮影地点から南の山を観る。しかし今日は曇りで、あの薄いコバルト色は出ていない。いつものあのきれいな色は、実は逆光を受けた空気の乱反射の色であるらしい。

季節はずれの七五三

 さらに、この二十日は海の日で休日。高志ファミリーと、近くの天祖諏訪神社に1100から予約をして、大成(5才)と航明(もうすぐ3才)の七五三詣りをする。こういう日は、神社の中とか、暗いところで撮ることになると予想して、普段使うことのないキャノンEF50ミリF/1.8Ⅱという単焦点の明るいレンズをつけて出かける。ごく小型だから、今日は軽い。

いよいよそのときが来て、神社の中の暗いところに座って神主を待つ。その時間に神妙に座っている孫たちを撮ってみると、実際より明るく撮れた。同行した家族もみなびっくり。しかもシャープだ。

この後、私の好きなデニーズへ皆を誘導して、孫たちは念願の「お子様ランチ」にありつく。高志が「どれ、見せて」と私の買って間もないキャノンのX3を取ると、20枚ほどバンバン撮るので(俺とだいぶ違うワ)と内心複雑な思いがした。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)