最近の買い物の中で、極め付きの良品が三点あった。
一つは、ソニーのMDレコーダーMZ-B50。マイク、スピーカーとも内蔵 で、完璧に良い音が、手軽に採れる。
二番目はBOSEの小型スピーカーシステムMM-1。小さいのに、ベースの 音がよく出る。
三つめは、キャノンの超小型レーザープリンターLBP-1110。安いのに、 よくできている。今回の西研新聞は、ほとんどすべて、これで印刷した。お勧め。

MDレコーダーB50

これについては、前に一度書いたかと思うが、あらためて、もう一度書いてみよう。(#23、2000/11/30号)

毎月二回、隔週に目黒のハワイアンの先生のところに三人でウクレレを習いに 行っている。もう一年以上になる。
最初は、ずっと小型のテレコ、いわゆるウォークマンの録音のできるタイプで 録音していた。そのために、練習の朝には、度々テープをコンビニで高くても買 った。だいぶ溜まった。
なぜ録音するかと言うと、わが家で復習するためだ。音にあわせて一緒に弾く ためには、ちゃんとスピーカーからある程度の音量が出なければならない。
あるとき、もうそろそろ、いつまでもテープでもないな、いつかはMD(デジ タル・ミニディスク)に変えなきゃいかんな、と思っていたので、二年ほど前、 一度、LAOXで「MDウォークマン」に変えてみた。ところが、実際に使う段 になると、まず外部マイクをその度に繋がなくてはならない。おまけに、折角録 音しても、今度は外部スピーカーを繋ぐか、MD内蔵型のラジカセを買わなくて はならない。
すごく不便で、「あぁ、自分が欲しいものはこういうものじゃなかった」と分 かったので、ある日、息子に譲ってしまった。
そして、あらためてソニーの「おけいこテレコ」という3.5センチスピーカ ー2個搭載の小型ステレオテレコを買った。これは、たしかに良かったが、その あと、去年の11月に、点塾の清水信博さんと山形のクリエス精機、それから仙 台MGに回ったときに、彼の車のなかでいろいろ話したのがきっかけとなって、 「やはり自分は初志貫徹、ソニーの新型MDレコーダーを買うしかない」と悟っ て、家に帰ると即、近くのLAOX(自分はLAOXが好きである)に発注した。
結果は、大正解! ちゃんとマイクは二つ内蔵しているし、スピーカーも2. 5センチの小さいの一個だけだが内蔵されているので、これ一台で完璧に録音も 再生もできる。
しばらくはこれに満足して、練習にもBGMにも使っていたが、しばらく使っ ている内に、「欲をいえば、、」という点が一つ浮かび上がってきた。
それは、再生音がいかんせんチトもの足りない、という一点である。無理もな い、なにしろ2.5センチの極小スピーカーなのだから、、。
で、イヤホンで、耳で聴くと、すごい音が内部ではしている。さすがデジタル 録音である。しかし、その音の良さが、超小型スピーカーからは出ていない。

BOSEの小型スピーカーシステム

こういう小型の音響機器から音を出すには、アクティブ・スピーカ ーといって、小型アンプ内蔵型の外部スピーカーが良い。この手のものも、いまや パソコンの周辺機器として、いくらでもマーケットに溢れているが、「良い音」と なると皆無である。ソニー製のも調べたが、上中下三種あって、最上の物だけが、 かろうじて合格点である。
ちょうど三月末から四月上旬まで、例の病気で秋葉原のコンピューター館の北 側に入院していたので、ヒマさえあれば、毎日運動・散歩・気晴らしをかねて、 遊びに行った。
お気に入りは二階の小物売り場で、バックパックとか、机の上のプリンター棚 とか安いものを二三買ったが、ある日片隅で、MP3の再生に使われているSP が、小型だし、格好も良いし、よく見ると、なんと「BOSE」である。機種名 はよく分からない。ボリュームを上げてみると、ちゃんと生意気に低音が自然に 出る。
BOSEについては、いっそ七万円の通信販売のCDラジオを買って、それに B50をつなぐか、と一時考えたこともあったが、それは少し大きすぎるし、高 すぎる。その点、今回のこのMM-1ならば、もってこいである。かさばらない し、値段は二万ちょっとだし、低音はよく出る。
嬉しかったのは、これを事務所に設置して、B50をつないだり、CDプレー ヤーからハワイアンを流したりしているときに、この道ではプロの金子さんが、 「良い音ですね、低音がよく出ますね、この小ささで、、」と感心してくれたこ とである。
以来、金子さんは、事務所に来ると日がな一日、ハワイアンを、たまにはタヒ チアンを流している。いつの間にか、わが事務所にもBGM環境が整ったのであ る。私は、ハワイアン練習の前日あたりに、前回の録音を何回でもひっきりなし に流して、イメージ練習に役立てている。

■ 超小型レーザープリンター

昨年末から怪しくなっていた「LX2-c40」の電源が、いよいよ二月ごろ 入らなくなり、これをIBM1800に取り替えたら、今度は、大好きな富士通 のプリンターが動かせないというので、これも買い替える羽目になった。トホホ
そこで、E社の1100が入ってきたのだが、これがデザインだけでなく、い ろいろと問題の多い機械で、ついに私は、キャノンの超小型レーザープリンター 1110を中島マヒマヒさんに重ねて発注した。これは素晴らしい機械だ。よく できている。まずデザインが良い。これは、上記二機種も同じ。
印字もきれい。値段が安い。29800円(実売価格)。 今回の原稿で何が言いたかったかと言うと、「小型・軽量・高性能」、かつ安 価、かつグッドデザイン。こういうものを作らないといかんし、そういうものは 少ないけれども現に存在する、これを言いたかったのである。

西研では、もう長いこと、レーザープリンターは知ってても買わなかった。な ぜ買わないか。あのサイズ、分厚さが気に食わない。
プリンターは、プリントするだけの大きさがあればよい。それなのに、あの分 厚さは何だ。常識の二倍は厚い。あんなものが事務所の中に来ると思うとぞっと する。
ところが、昨年のキャノンのレーザープリンターカタログで気が付いていたの だが、250、350というシリーズは可愛らしい。しかも数万円台で安い。
これなら、手が届く範囲である。カラーは要らない。白黒がいい。

実際に使ってみると、印字品質はもちろん良いし、取り扱い心地もなかなかの ものだ。使っていて、嬉しくなる。マイツールのユーザーなら分かるでしょう。
また、紙が連続用紙でなく、A4なので、「もったいない」という感じがない。 いたって気軽に、何枚でも印刷できる。気にならない。
そして、極め付けは、「印刷を開始します」「印刷を終了しました」(^.^)と いう若い女性の声だ。これは、VAIOの「充電が終わりました!」(エッ?) という声より数段いいと思う。
もちろん、欠点は、この手のものは、スペアインクがベラボーに高いことだが、 これは業務用の大型ではさらに高いわけで、早く全体に安くなってくれるといい な、と思っている。
しかし、そのスペアインクの値段を、使い心地の良さが十分上回っていると思 う。あとは、PFの訓練が残っている。

●総論、、、。

製品というものは、設計者によるのです。良い設計者だけがす っきりした製品、使い心地の良い製品を設計できるのです。マイツールと他の表 計算との比較もしかり。がんばれ、各々がた、、。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)