■ 西 順一郎の「エクセルSTRAC教室」

私は、1980年以来20年にわたり、コンピューターはもっぱらマイツールとポケコンの二本立てのみで用が済んできた。ところが、今回ひょっとするとポケコンが無くなるかも、と聞かされたので、やむなくポケコンの機能をエクセルに置き換えてみた。

結果から言うと、エクセルは、ポケコンそのものだった。逆に、ポケコンで今までやってきたプログラミングは、まさに「シミュレーション」の世界そのものだったのだなぁと体感した。

エクセルは、やってみると、ポケコンより遥かに簡単である。ただし、エクセルも、使い方次第だろう。上記のエクセル教室は、私自身が初心者なので、誰よりも易しく、正しく、エクセルの利用を考える部屋にしたいと思っている。

とりあえず、教材としては、新開発の「キャッシュフローSTRAC」を使う。理論と効果は高級に、やり方は低級・素朴に。
私のエクセル利用第一歩は、この四月初頭の山梨・人間ドックの時だった。CF(キャッシュフロー)STRACおよびそれの利益感度、資金感度分析を組んでみたのだが、実に易しく、すいすいと、わりかしスマートに運んだので、気持がよかった。

また、ポケコンのプログラミングの時には気が付かなかったことが、エクセルでは「表」であったために、新しく整理出来た点もあった。

■ ポケコンの長所短所

ところが、ある日、例の中島マヒマヒさんから、こんな反論が寄せられた。

「僕は、あくまで『マイツール』にこだわります。エクセルは、好きになれません。僕は、西先生がエクセルを使うというのは、ちょっとショックでした。」

これに対して、僕の返事。

「同じです。エクセルを使う人の気が知れません。なぜ表計算が悪いか分かりました--データだけ入ってれば良いところに数式が入っているから邪魔なんです。ポケコンがなくなると言うので、代わりになればと思ってね。でも、おかげでエクセルも分かったし、ポケコンプログラムの整理も付いたよ。(^^)」

再びマヒマヒさん。

「ポケコンについては、感謝しております。シニアの講義でもおっしゃいます、BASICのアルゴリズムがわかるというのが素晴らしいと思います。エクセルでやるというのは、残念だなーって思っていました。マイツールのオートプログラムも、アルゴリズムが解っている人と、解っていない人とでは、やっぱり違います。
最近いけないのは、少々、アルゴリズムがなくてもコンピュータのCPUのクロックが上がって来ているので、あっという間にプログラムがエラーなく実行されます。結果が同じだったらいいじゃないか、というような仕事の進め方は、僕はいやなんです。これは、ポケコンのSTRAC100回入力が原点でした。」

■ マイツールは救世主

日本電池のYOさんいわく。

「EXCELもMTに比べれば、情報の切り口とか次元は低いかも知れません が、使い方によっては結構、時間は効率化出来るし、ただにしてはまし なソフトだと思いますが、、、、。(^_^;;
EXCELもMGやってから使えば、いいんでしょうね。(^_^)  」

私も、まだ少しだけやったに過ぎないのだが、こういうものを使っていたら、仕事や思考が硬直化して、まとまりが付かなくなるのではないか。なぜなら、すべてが、BASICのような”プログラム”だからである。

マイツールは、入力するのはすべてデータのみだから、あとの利用法は自由自在である。そのときの気分、ニーズ、能力により、千変万化する。

したがって、問題は、ユーザーがリコモンかどうか、ということだ。フツーの人がEXCELを使ったら、かなり効果は期待出来ないことになろう。
優秀な人がマイツールを使えば、これは凄いことになる。それは、発明者の長谷川さんを見ても分かる。

次に、優秀な人とエクセルとの組み合わせでは、マイツールユーザーの何分の一かぐらいのことは出来るだろう。

第三に、フツーの人がマイツールを使う場合、それなりの効果が上げられようが、第四、フツーの人が表計算を使うパターン、これは最悪ではないか?

最近、『逆引き辞典』の佐藤雅栄くんと『計数能力シリーズ』で気を吐く経営実務出版の伊藤史顕さんが共同で『だから貴方は、いつまでたっても、エクセルがうまく使えない』を出した。これは、聞くところによると、某大企業をはじめ二三社の友人たちから、全社員が表計算ソフトを使っているために、今や会社の中はハチャメチャになっていると聞いて、出したのだとか、、。

人類を救うものはやはりマイツールしかない。
ワープロには、ソートもサーチもオートもTMもないから、昔の紙と同じ不自由さしかない。表計算は、へたに数式があるものだから、仕事が定型化して、まるでオートドンの世界のようになる。

やはりここは、「電子紙」に一行一データ形式でとりあえずデータを入れておいて、あとは頭脳で自由自在に使うことしかないと思うのである。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)