千円床屋登場

男性にとって、いつ床屋に行くかという問題は、案外永遠の問題ではないだろうか? 私は、耳の上の髪が、どのくらい耳にかぶさるかというので、よし行こうとか、まだ早いとか決めている。以前だったら、だいたい給料日の前ぐらいが空いているというので月に一回、二十日過ぎに行っていた。ところが数年前から「千円床屋」というのが出てきて、1000円と3200円では勝負にならないので、一も二もなく1000円の方に行くようになった。

たとえば「QBハウス」あたりは10分で1000円、しかも店は明るく清潔で合理的と来ているので、趣味に合う。

昔、本田宗一郎が「床屋の一時間がもったいない」と何かに書いていたが、私もまさにそう思う。その点、1000円床屋は普通の床屋に一回行く金で月3回は行ける勘定だし、時間もたった10分というのは無駄がない。

安いと言っても、実際は、そんなに三回も行くわけではない。第一そんなに行ったら、髪の毛がなくなってしまうだろう。

もう一つは「髭剃り」だが、私は神経質で深剃りだから、床屋でやってもらっても、必ずその晩の風呂で剃りなおしていた。

さらにもう一つは、殆どの床屋が「床屋組合」の関係で、月曜が休み、場合によっては月火と連休なのだ。ところが私は「土日ワーク」の会社だから、月曜こそが一番ヒマ、行きたい日なのだ。

そこに降って湧いた「千円床屋」は、まさに一石二鳥も三鳥もの価値あるビジネススタイルだった。

まずはデータ拾いから

冒頭に書いたように、いつ行くべきかという永遠の問題があって、これは一度、いつ行ったかというデータベースを当たってみるといいなと思っていた。二三日前、(そうだ、直近六回分もデータがあれば十分だ)と気がつき、この二月一日(月)、過去六か月分の小遣い帳(金銭出納簿)から「1000円」のデータをマイツールに拾ってみた。

結果は、9.17、10.05、10.31、11.25、12.16、1.12、2.01であった。

これをC1にとって、C2に同じものをCPC(コピーコラム)し、後はC2をROC(ローテート・コラム)で一段上にずらす。あとは、C2-C1で差を出せばよい。

早速出してみたが、すっきりしない。なぜか? 月日は30進法だし、データは月をまたがっているからだ。

「YMD」に初挑戦

となると、馬鹿正直に「YMD」コマンドでやるしかないか。ところが、この私、1980年から約30年間マイツールを使ってきているのに、YMDはあるのは知っていても、およそニーズがないからやったことがない。適当に力任せでYMD[C2-C1]=C3とやろうとしたが、うまく行かない。困ったときの神頼み。幸い、月曜日はとなりに金子さんが来てくれているので、彼に泣きつく。

「金子さん、YMDはどうやるの?」
「どれどれ、まずは『HELP』を見てみましょう」

へぇ、ヘルプなんか見るんだ。(私は、ヘルプを見ることはない。)

なるほど見てみると、YMDをやるには、ご丁寧に「20090917」と八桁コンマなしで西暦から皆入れなければならぬらしい。

早速、月日を100倍(2.01*100)したものに 20090000 を足し算した。2コラムあるので、MTR(マトリックス計算)を使った。

こうして標準形に直して、差をとってみると、ものの見事に差は何日と出た。但し18~27日までアバレがあるので、平均値を出さなければならない。出したところ「22.8日」と出た!

一件落着

なるほど、自分ではこれまで、だいたい二十日ないし三週間毎かなぁと思っていたが、こうしてみると、だいたい23日が標準なわけだ。そうすると、今日(二月一日)行ったばかりだから、次回はいつ行けばいいのかを知りたくなる。

そういえば、先ほどの「ヘルプ」の中、二段目に、YMD[C1]+○○=C3 という算式がある。

最初、これは関係ない、日にち間の差が出ればいいと思っていたが、実は予測も大事だということが、今分かった。
YMD[20100201]+23=20100224 で、次は2/24(水)だ。水曜日ならヒマだから、これは行ける日だ。

これまでは、実際に鏡で耳の上の髪の毛の状態を確かめて、行くか行かないかを決めていた。これを「手探り状態」とするならば、今回ようやく「デジタル状態」に進化したような気がする。

(KK西研究所・所長 西 順一郎)